AFLの戦い方-第6回

2012/12/04

<ビデオ判定システム>
 
 AFLは2012年度シーズンからゴール付近での判定に限り、ビデオ判定のシステムを導入しました。
 
「ゴール(6点)に入ったかどうか」もしくは「ビハインド(1点)になったかどうか」は試合の勝敗に直結するとても重要な判定です。通常はゴールアンパイア1人でゴールを見ていますが、バウンダリーアンパイア(線審)が判定を補助することもあります。
 
判定は一番近くで見ているゴールアンパイアが優先ですが、判定しかねるときはバウンダリーアンパイアやフィールドアンパイアがアドバイスすることもできます。AFLは万全の体制でゴールを判定するのですが、稀に判定がきわどいときや判定に自信がもてないことがあります。そのような時に活躍するのが、ビデオ判定システムです。
 
 

今回導入されたシステムの手順は以下のとおりとなっています。
①ゴールアンパイアが判定できず、他のアンパイアも確たる自信がない場合、フィールドアンパイアの判断でビデオ判定を依頼します。
 
②判定するスタッフは繰り返しビデオの映像を見て、判定を確認。ちなみにスタッフが見ている映像はTVでも流れます。その結果は無線を通じてフィールドアンパイアに伝えられます。
 
ビデオ判定の実際の映像はこちらです↓
映像タイトル:AFL NAB Cup 2012 - Was It A Goal?
映像URL:http://www.youtube.com/watch?v=kzri_mVQ2wU
 
しかし、ビデオの映像でもはっきりと確認できないこともあり、その際の判定はフィールドアンパイアに任せるということになります。AFLのルール上では判定に確信が持てない場合、「得点の低い可能性」を採用します。つまり、ゴール(6点)がビハインド(1点)で迷っている場合はビハインド(1点)が判定となります。
 
「基本はアンパイアの判断」という前提を崩さず、より判定を強固にするためのこのシステム。試合の再開が遅くなる、映像の質が悪くて結局分からないこともある、などの批判もありますが、より正確に判定しようという姿勢は素晴らしいです。
 
それにしても驚くべきことは、アンパイアの集中力。
テレビで試合を見ていて「ゴールアンパイアのミスジャッジか?」という判定が時々あります。
そこでフィールドアンパイアが確認のためビデオ判定を要請。でもやっぱりゴールアンパイアの判断が正しかったということが多いです。
 
このシステムを導入して改めて感じたことは、アンパイアの能力の高さ。ブーイングが起こるような判定もビデオで確認し、「ほらやっぱりアンパイアの判断が正しいでしょ。」とアピールができます。
 
「人の目には任せられない。」そんな思いもあって導入したはずでしたが、実はこのシステム、いかにアンパイアの判定が優れているかの証明になっています。アンパイアの判定能力が高いのであれば、判定はアンパイアに任せて早く次のプレーに移ろう。という風潮さえ感じるようになりました。
  
  

本来、ビデオ判定が必要なのはアンパイアのトレーニングが間に合わず、判定に疑いの残る地域のリーグや世界各国のリーグだったのかもしれません。そのようなリーグはアンパイアの育成に十分なお金と時間がかけられていない、そしてそのような余裕のないリーグにはもちろんシステムを導入することは財政的にも難しいです。
 
AFLはシステムを導入し、改めてアンパイアの質の高さを証明し、やはりその場の判断はアンパイアに任せてよりスピーディーな試合展開を求める声も出てきました。
他のリーグよりもさらに加速して先を行ったAFL。
 
さらにAFLは今回のオフシーズンも試合をレビューしてルールに少しずつ改良を加えようとしています。来シーズンはスライディングに対するルールを厳しくするとか。
 
より魅力的なスポーツとなるようにAFLの挑戦は続きます。

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