AFLの戦い方 第12回 <FWインサイド40mラインを埋めろ!>

2014/04/14

<FWインサイド40mラインを埋めろ!>

敵ながらあっぱれ。
エッセンドンファンの私だが、ホーソン・ホークスの試合を見ていると現代AFLの攻撃の基本がよく分かる。
得点力があるこのチームの秘密は何か。先日のエッセンドンとの試合でそれを垣間見ることができた。
 
キーワードは「FWインサイド40m」である。
ゴールラインから40mほど離れた地点でFWをフリーにさせておく攻撃がとても優れている。
 
FWに必要なのは大きく分けて2種類のプレイ。
 
1つはキックされるボールを空中で競り合うコンテストプレイである。これは身長が高く、マークコンテストが強いプレイヤーが務め、そのようなプレイヤーはターゲットと呼ばれる。ターゲットとなるプレイヤーの中でも走ってマーク(リードマーク)をするプレイヤーもいればその場でボールを要求し、DFとのコンテストを好むプレイヤーもいる。
 
もう1つのプレイはクラムである。ターゲットが競り合ったボールを拾い味方につなげるプレイヤーで、このようなプレイヤーはクラマーと呼ばれる。空中戦は不得意だが、素早く動け早く判断ができるプレイヤーが務める。
 
この2種類のプレイをバランスよく繰り返してボールはゴールへ近づく。
 
さて、ホーソン。
上記の2つの基本的なプレイに加えて、ゴールラインから40mほど離れたエリアでFWをフリーにさせるプレイがうまい。ターゲットとなるFWが強いため、DFはゴール前に張り付けとなり、どうしても少しゴールから離れたエリアが手薄になる。そのエリアを守るのは中盤から下がってくるプレイヤー。下がってくる際に疲れているためスペースを埋めきることができず、ホーソンの力あるFWにボールを支配されてしまう。



FWインサイド40mのエリアを厚くするのにはもうひとつ利点がある。それはFWラインで相手DFにターンオーバーされた場合に、いち早くプレイヤーの網をセットして、DFに容易にクリアを許さないことができる。
 
エッセンドンとの試合でFWインサイド40mを重要視していると分かる典型的なプレイがあった。
 
ホーソンが攻め上げり、エッセンドンのゴール前、ビハインドラインすれすれを駆け上がるFWがそこからゴールを狙わずに、40mライン付近の味方にキックでバックパス。センタリングと呼ばれるプレイだ。
 
エッセンドンのDFは必死で下がっているので裏をかかれた格好だ。ホーソンのFWは前を向いてスプリントをしているにも関わらず、申し合わせたかのようなバックパス。これには驚いた。



このアイディアはそのエリアを相当意識していないと出てこない。改めてホーソンFW陣のアイディア、セットアップ、そして体の強さからくる判断の余裕を思い知った。

コンテストが強いFW陣。そしてその強さが可能にする2列目の意識。2つを組み合わせてホーソンの得点力が成り立っている。



ホーソンと戦う相手は「FWインサイド40m」を埋めなくてはいけない。
 

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