AFLの戦い方-第8回

2013/03/19

<コリドーを突破せよ。>
 
 AFLには様々な用語がありますが、グラウンドのエリアに関する用語は試合を観る上でも、実際にプレーする上でもとても便利です。
 
例えば「そこのエリアを埋めろ」というよりも「DFインサイド50を埋めろ」と言ったほうが分かりやすい。「インサイド50」というのはゴールから50mのエリアのことを指します。
 
DFインサイド50は自陣ゴールに近いエリアで、この中で相手にボールを取られるとゴールにキックされる危険があります。反対にFWインサイド50は相手ゴールの近くなのでチャンスがあればゴールを狙うエリアです。
 
ほかにもセンタースクエアやファットゾーン、スイートスポットなど、戦術を練る上で名前を付けておくと便利な用語がいくつかあります。
 
今回はその中でもとても重要と思われる「コリドー」について。コリドーとは本来の意味は廊下とか回廊という意味があるようですが、AFLではグラウンドの中央部分のエリアを指します。

 


 
ゴールからゴールを結んだ直線は「ゴール・トゥー・ゴールライン」と呼ばれ、そのラインに幅を持たせたのがこのコリドーです。コリドーを通って攻めると、最短距離で相手ゴールに行けるため、とても重要なエリアとなります。
 

 
コリドーのようなエリアは攻撃を仕掛ける際に効率が良いため、ディフェンスも警戒するエリアです。よってフリーになれるチャンスが少なく、滞空時間の長いキックを蹴ってしまうとすぐに相手ディフェンスにスポイルされてしまいます。また、タックルを受けるリスクも高いエリアです。
 
そこでこのコリドーを通る際はランやハンドパスをつないで素早く通り抜けるシーンが多くみられます。キックでパスをつなぐとしても低いキックで正確に素早くつないでいきます。
 
素早く突破しなくてはいけないエリアがコリドー。
このようなイメージでしょうか?
 
コリドーを突破できるとFWインサイド50のどこにでも展開できることになります。コリドーを使わずにグラウンドのサイド(バウンダリ―ライン沿い)から攻め込むと、遠回りになって結局はセンタリングをすることとなり、そのころには相手のディフェンダーが戻ってきてしまっているという状況が考えられます。
 
しかし、近年のフットボールはボールをキープしてつなぐことを重視する傾向も多くみられることから、スペースが多くあり、比較的プレッシャーの少ないバウンダリ―ライン沿いを攻める回数も増加し、実際にそのようなデータも出ています。
 

 
でもやはり、ディフェンスラインからより速く攻撃に転じるにはコリドー。コリドーを強引に突破してくプレーは迫力があり、見応えがあります。
 
2007、2009.2011と1年ごとにグランドファイナルを制していた黄金期のジロング・キャッツの攻撃は、プレーヤーを縦に配置し、フォローアップするプレーヤーがどんどん前線に上がり、コリドーを強引に突破する。そんな迫力ある攻撃が見られました。
 
タックルを受けて倒れても、攻撃に上がってくるプレーヤーにボールを預け、ボールを前線に運んでいく。そんな見事なシーンがたくさん見られました。このような強引な突破は少しずつ減っていますが、コリドーは依然重要なエリア。このエリアを何とか制したいものです。
 
「コリドーを突破せよ。」
 

 
そんな指示には、敢えていばらの道を突き進む、力強ささえ感じられます。

コメント


名前:
Eメールアドレス:
コメント:
左の画像の英字5文字を入力して下さい。:

削除用パスワード: ※削除用パスワードを設定しない場合は自分で投稿を削除することができません

コメント一覧

現地から届く!AFL最新情報
AFL japan を盛り上げてくれるボランティアスタッフを募集しています。

事務局:
〒143-0016
東京都大田区大森北2-5-5
Tel: 03-4520-9930

email: info@jafl.org