AFLの戦い方 第14回 <オーバーヘッドキックが示す、未来のFF>

2014/05/08

FWで何か異変が起きている。
きっとそう感じているのは私だけでないだろう。
 
以下の映像を見てほしい。
これは今年度のシーズンで見られたAFLの映像だ。

 


フルフォワードが全部こなしてる!
フルフォワード(大型のフォワード=以下FF)は、本来キックのターゲットとなり、ボールを競りあうのが仕事だ。

ボールをマークしたら、ゴールを狙うセットショットか、クラマーにハンドパス。
今までのFFはこういった動きが典型的だった。
 
ゴールに近いポジションでマークすればもちろんセットショットを行うが、ゴールに届きそうもない場合はフォローに入ってきた味方にハンドパスをする。このほうがFWラインに速くボールを供給できるからだ。
 
マークした後にマークポイントから下がってからFWエリアにキックを放り込むのは時間がかかりすぎる。
 
ボールをマークできないにしても、タップをするなり、なるべくボールをコントロールにて中盤からフォローに入ってきたプレーヤーに拾ってもらう。
 
いずれにせよ、FFは高いボールを「競り合う」のが仕事で、その後は他のプレーヤー(クラムに入るスモールフォワードかミッドフィールダー)にお任せだった。



そんな役割を担っていたFFだが、どんどん仕事量が増えている。少し前まではゴールスクエア付近に陣取り、味方が蹴ってくれるボールを待っていた。
 
待つのが仕事だった。
 
それが、今ではボールをもらいにいく動きが必要になってきた。
リードをとるために中盤まで走って下がる。
走り回ってスペースでボールを受ける。
などなど、自らが動く。

今は「待っているだけ」ではだめだ。
 
さらに、FWからプレスをかける戦術が徐々に採用され始めると、ディフェンスもやってくれということになった。



FFの仕事量が増えていると感じていたところのこのオーバーヘッドキック。
キックの技術が上がっているというのはもちろん、競り合ったあとのボールをフォロワーに任せるのではなく、背を向けているゴールに何とか入れる。そこまでが仕事となった。
 
これにはディフェンスも不意を突かれた格好だ。FFに付くディフェンスは空中での競り合いが強く、相手がボールをマークしようとするその瞬間にかけて体を使ってボールを弾く。しかし、その競り合いの後に、もう一度プレーされてしまうと、また対応が変わってくる。
 
FFは本当によく働くようになった。
 
オーバーヘッドキックは、派手で盛り上がる。
しかし、オーバーヘッドキックの持つ意味はそれだけではない。クラムいらずのFFが出てきていることを意味し、それは今後の戦術を大きく変えるだろう。
 
AFLは個の力から、チームの力へ戦い方をシフトさせてきた。
しかし、再び個の力、個のエフォート、個の仕事へのシフトが始まっている。



そして、「全部できる」フォワードが、ホークス、キャッツ、マグパイズ、、、と誕生しつつある。


 

コメント


名前:
Eメールアドレス:
コメント:
左の画像の英字5文字を入力して下さい。:

削除用パスワード: ※削除用パスワードを設定しない場合は自分で投稿を削除することができません

コメント一覧

現地から届く!AFL最新情報
AFL japan を盛り上げてくれるボランティアスタッフを募集しています。

事務局:
〒143-0016
東京都大田区大森北2-5-5
Tel: 03-4520-9930

email: info@jafl.org