AFLの戦い方 第15回 <ダイレクトプレーが主流になる>

2014/06/26

AFLはポゼッションを大切に記録してきた。ボールを保持することである。
「1試合で40ポゼッションもするなんてすごいな!」
という会話はファンの間では馴染みのあるものだろう。
 
ポゼッションと似たような記録として「ディスポーザル」というものがある。これはボールを処理した回数である。ハンドパスをしたり、キックをしたり、そういったボールを処理した回数も記録されている。
 
最近ではディスポーザルという言葉のほうがよく聞かれるようになった。
それはポゼッションの持つ価値が、少しずつ減ってきているからではないか。
 
2つの映像をご覧いただきたい。
<サッカースタイルのボレーシュート>

 
<ポゼッションしないダイレクトプレー>

 
どちらもダイレクトプレーである。
ポゼッションをしないプレーだ。
 
サッカーではワンタッチで味方にパスをしたり、ボレーシュートを決めたりする。ラグビーでもダイレクトプレーは見られる。もちろん、AFLでもタップなどを始めこのようなプレーはあるが、今後は今よりもっと増えるだろう。

試合のスピードが上がり、相手ディフェンダーのプレッシャーも強くなってきている。

 

さらに、1回のキックで展開できるエリアにチームの人数を集める戦術を取るチームが多く、特にハンドパスが必要な密集の局面では、「ポゼッションをしてからハンドパス」となると十分な時間もスペースもない場合が多い。
 
そこでダイレクトプレー。タップやパンチをしてボールを取ることなく、味方へパスをする。さすがにまだ今は2回連続でダイレクトプレーが起こるシーンは少ないが、一度ダイレクトプレーでパスをしてからポゼッションというパターンは確実に増えている。

 

密集となっている場面や相手ディフェンダーが近づいている場面では、下手にポゼッションするとタックルを受ける確率が上がってしまう。
 
さらに最近ではタックルのルールの解釈変更が続いている。ボールを持っているプレイヤーがタックルを受けると、「ホールディング・ザ・ボール(タックル成立)」という反則を取られる場面が多くなっている。相手にフリーキックを与えてしまうことになるので、不要なポゼッションはターンオーバーの元だ。
 
 

楕円のボールをダイレクトでパスしたりシュートしたりするのはスキルが必要だが、「スキルがないからできない」、「スキルミスが増える」ということを言っていられるほどAFLの発展は悠長ではない。

 
 
次々に新しいスキルに挑戦するプレイヤーが生き残り、そのようなプレイヤーを育てられるクラブが生き残る。ダイレクトプレーはまだまだ開発途上のスキルで、どのクラブもそのスキルを求めているに違いない。
 
いつの日か、ポゼッションを数えるのを止め、ボールの処理することを示すディスポーザルの回数を数えるようになるだろう。そして、1回だけのダイレクトプレーではなく、2回、3回と連続したダイレクトプレーも見られるだろう。
 
近い将来、きっとこんな声がオーバルには響いている。
「お前は40回もポゼッションしてるじゃないか!ポゼッションを減らしなさい。」
 

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