グランドファイナルから早や1か月。来週10月31日、2014年のシーズンの日程が発表になる前に、例年以上に波乱の多かった今年のシーズンを10大ニュースで振り返ってみましょう。
 
ブリスベン・ライオンズ　NABカップ優勝
　
プレシーズンをおさめたチームは公式戦もそのままの勢いを維持して、上位に食い込むのが通常のパターンだけど、今年のブリスベンは開幕でつまずき、結局12位。シーズン後半、33ポイント差の逆転勝利など、印象に残る試合もあったが、監督のMichael Vossはシーズン終了を待たずに解雇され、シーズンオフにも若手が6人も退団、3連覇時代のもと監督Leigh Matthewsが現在の経営陣に反旗をひるがえし、お家騒動の真っ最中。そもそもNABカップの決勝戦がラグビーリーグの開幕とかち合ってホームグラウンドで主催できなかったあたりから、不運ははじまっていたのかも。
 
ポートアデレード　大変身で6年ぶりのファイナルシリーズ出場
　
2004年、初めて出場したグランドファイナルに優勝してからというもの、ここ数年、低迷を続けてきたチームが大変身。チェアマンにテレビでおなじみの経済評論家David Koch氏を迎え、メインスポンサーも地元の運送屋さんからルノーにグレードアップ。47歳にして初めて監督に着任したKen Hinkleyがジロング仕込みの厳しいスタンダードをチームに持ち込み、若手がそれに応えた。6年ぶりに出場したファイナルシリーズでは1回戦で敗退したが、来シーズンも期待できそう。
 
ANZAC Dayマッチが2試合に
　
ANZAC Dayといえばエセンドン対コリングウッドがMCGで戦うのが1995年に始まって以来の定番、今年からセントキルダ対シドニーが加わった。会場はニュージーランドの首都、ウエリントン。いつまで続く？
 
リーグの至宝　Kevin Sheedy監督を退く
　
選手、監督と通算830試合。先住民プレイヤーにフォーカスした「ドリームタイム」マッチ、インターナショナルカップの推進、そして我らがサムライズともご縁が深い。新しいフィールドを開拓してきた先駆者にふさわしく、リーグで最も若いグレートウエスタンシドニーが最後のチームとなった。お疲れさまでした。
 
Mick Malthouseカールトンの監督に
　
今シーズン公式戦を9位で終了したもののエセンドンのペナルティでファイナルシリーズに繰り上げ出場。とにかく強運は続いているようで。
 
Gary Ablett個人賞をひとり占め
　
今シーズンも1試合平均31.2ディスポーザルと脅威の活躍ぶり。オールオーストラリアンに7年連続で選出、さらに2度目のBrownlowメダル、選手会が選ぶMVPとダブル受賞。今年はチームも成長した。ジロングに戻るという噂が聞こえはじめているけど？
 
エセンドン　薬物疑惑によるペナルティでファイナルシリーズ欠場
　
シーズン開始直前にこれまでの使用サプリについて、リーグとオーストラリア薬物捜査委員会から捜査協力を求められていることが発覚、最終的にはリーグの運営に著しい支障をきたしたかどにより、ファイナルシリーズへの出場停止、監督James Hirdには1年間の出場停止を含む厳しい罰則が言い渡された。しかし経過の不明瞭さと１シーズンかかった判定にファンは置いてきぼり。エセンドンファンにとっては長い長いシーズンになった。
 
フリーマントル、リーグ加入19年目で初のグランドファイナル出場
　
特に昨年Ross Lyonが監督に就任してからは地元以外でも勝てるチームに成長。ファイナルシリーズでは初めてジロングのホームグラウンド、カルディニア・パークでの試合に勝ってグランドファイナルに堂々の出場となったが、西オーストラリアから押し寄せたファンの前でホーソンに完敗。来シーズンはいっそう厳しくなる他チームのマークにどう対応するかがカギ。
 
ホーソン、昨年のリベンジで通算11回目の優勝
　
とにかくシーズンを通して強かった。文句なしの優勝。フリーエージェントでのLance Franklin放出は、なしでも勝てるチームになったからだろう。黄金時代はしばらく続くと見た。
 
Lance Franklin、シドニーと9年契約　破格の移籍
　
ウエストコースト、ウエスタンシドニーと有力視されていたチームに代わり獲得したのはシドニー。9年とスーパー長期の契約で、平均推定年俸は100万ドルとか。5年プレイできれば元は取れるとの推算もあるけど、選手の規律の厳しさがピカ一のスワンズ、チームカルチャーの変貌を危惧する声も。

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筆者プロフィール ：ゆうたろう

現役時代のMatthew Lloydに詰め寄られても、Catsのコーチ時代のMark Thompsonに「Do you　like Cats？」と聞かれても宗旨替えしなかったDemonsファン。これまで最高のフッティ・モーメントはRon Ｂarrasi大先生とグラウンドで談笑している姿がチャンネル９の夕方6時のニュースに流れたことと、Brett Kirkに「Thank you for supporting our game」とささやかれたこと。

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